11/23
2024
Sat
旧暦:10月22日 先勝 庚 小雪
社会・全般
2019年5月26日(日)8:59

家賃値上げ「正当な理由必要」

相談増で特別講座
20人参加、弁護士助言


家賃の値上げをテーマに開かれた消費者月間特別講座。弁護士の長尾さんが借り主としての対応を助言した=25日、市働く女性の家

家賃の値上げをテーマに開かれた消費者月間特別講座。弁護士の長尾さんが借り主としての対応を助言した=25日、市働く女性の家

 宮古島市で相次ぐ共同住宅(アパートなど)の家賃の値上げで、県消費生活センター宮古分室は25日、市働く女性の家で特別講座を開いた。法テラス宮古島法律事務所弁護士の長尾大輔さんが講話し、家賃の値上げには正当な事由が欠かせないと指摘。借り主は直ちに応じる必要はないと助言した。その上で、家賃の値上げや契約解除の通知に対応する際には借地借家法を活用するよう促した。


 今回の特別講座は、消費生活センター宮古分室に家賃の値上げに関する相談が増えていることを受けて開かれた。約20人が来場して弁護士の助言を聞いた。

 長尾さんは、貸し主と借り主の力関係について「どうみても大家(貸し主)の方が強い」と話し、この力関係を調整するのが借地借家法だと主張した。

 家賃の値上げに応じないことなどを理由とする契約解除に関しては、1年前か半年前に貸し主から通知がなければ「従前の条件で契約されることになる」と説明した。ただし、「半年前に通知されれば出て行かなければならないかといえばそうではない。1年前、半年前の通知でも、貸し主は正当な事由がなければ契約解除ができない」とした。

 正当な事由には▽貸している家を自分が使う▽賃貸借状況(家賃の滞納や借り主の利用状況)▽老朽化など建物の現況▽立ち退き料を支払う-を挙げた。

 契約期間中の値上げ通知については、「契約の期間に縛られず、増減の請求権はある。ただし、根拠は必要になる」と述べた。

 根拠説明を受けても納得できず、貸し主との協議がまとまらない場合は「借り主が相当と思う額を支払えば良い。裁判で確定するまで賃料の未納ということにはならない」と話した。

 家賃の値上げで貸し主が取る強硬手段として「(従前の)家賃を受け取らないというケースがある」と紹介し、「払わないと未払いになるため絶対に避けなければならない」と注意を促した。対応策は「供託金として家賃を法務局に納めるという方法がある。こうすれば法的には払っていると評価される」と話した。

 長尾さんは「借地借家法は貸し主と借り主の力関係を調整する法だが、必ずしも借り主が熟知しているとは限らない。付け込まれないよう相談してほしい」と話し、関係する機関や団体の積極活用を呼び掛けた。


記事の全文をお読みになりたい方は、宮古毎日新聞電子版のご購読をお勧めします。
まずは2週間、無料でお試しください。

無料試読お申込み

すでに購読中の方はログイン

カテゴリー一覧

観光関係

2024年11月22日(金)9:00
9:00

宿泊税、県民にも課税へ

県検討委、税率2%で上限設定   【那覇支社】宿泊税の導入に向けた第3回観光目的税の導入施行に関する検討委員会が20日、県庁で開催され、税率2%で上限を2000円とし、県民にも課税する方針を確認した。離島住民が観光目的でなく宿泊するケースについては、…

2024年11月21日(木)9:00
9:00

宮古島北部の魅力PRへ

ローカル体験提供プログラム きょうからサービス開始/沖縄トヨタなど   沖縄トヨタ自動車(本社浦添市、野原朝昌代表)はこのほど、観光庁の「地域観光新発見事業」に採択されたことを受け、トヨタ・コニック・プロ(本社東京、山下義行社長)と宮古島観光協会(吉…

ID登録でパソコン、タブレット、スマートフォンでお手軽に!