西辺方言でオペレッタ/西原ゆりの会
昔の男女交流描く/10月に東京で披露へ
西原コーラス「ゆりの会」(仲間忠会長)のメンバーの笑い声と歌声、そして方言のせりふが毎週火曜日の夜、西原公民館に響いている。10月1日に東京都で行われる国立国語研究所の創立70周年記念式典に西辺方言のオペレッタを披露するためだ。特訓中の現場をのぞいた。
同会世話役の小川榮子さんによると、西辺方言を長年研究している同研究所の田窪行則所長からの招かれたという。
70代の小川さんが昔、祖母から聞いた当時の西原地区の若い男女が出会い、結婚に至るまでの話をオペレッタに仕上げた。
題名は、寸劇「んすむらオペレッタかぬしゃがま」。西原では昔、若い男女が交流する場として「ジャー」(座)が利用されていたことから、そこでのやり取りを物語にしている。
小川さんの祖母の話では、昔は仕事が終わると、それぞれがおめかしして座に集まり、歌やクイチャーを踊りながら語り合い、交流を深めて恋人同士になったり、結婚へとつなげていったという。
西原の人たちのほがらかで活気のある人間性は、そうした背景も影響していると考えた小川さんが、そのころの男女の結びつきを想像しながら今回のオペレッタを書き上げた。
6月から練習をスタートさせ、25日には配役も決まり、本格的な練習となった。
小川さんは「割り当てられた時間が20分だったので、歌だけではつまらないと思い、芝居も歌も踊りも入るオペレッタにした。会のメンバーはみんなとても上手で、私の演出にもしっかり対応してくれている」と話した。
実際に練習している島のお年寄りたちは、舞台の上では、島の言葉でしっかりと芝居のせりふをしゃべり、年齢を感じさせない歌や踊りで躍動している。
出演者でもある仲間会長は「まだ始まったばかりなのでこれからが大切。出演者の心を一つにしてしっかり練習し、完ぺきに仕上げて本番を迎えたい」と意気込みを示した。