新天地求め北海道から移住/宮古自校の指導員 石山さん
愛猫と共に「定年は南国で」
新天地を求めて2500㌔-。北海道を離れ人生の新たなステージを愛猫2匹とともに宮古島でスタートする女性がいる。石山ひとみさん(51)は市平良にある宮古自動車学校の指導員として働くために出身地の北海道小樽市からやって来た。石山さんは北海道や東京での指導員キャリアが25年以上のベテランだ。今月中旬から本格的に業務に就く。
石山さんが宮古島で働くことになったのは15年ほど前、茨城県にある中央研修所で高齢者講習の資格取得研修で、同校の指導員仲地千穂美さんと知り合ったことがきっかけだ。以来、連絡を取り合い、「いつか一緒に働けたらいいね」などと話し、近年は無料通信アプリ「LINE(ライン)」やソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の「フェイスブック」で近況を報告し合っていた。
かねてから「定年は南国で迎えたい」と漠然と考えていたという石山さん。具体的に事が動いたのは、皮肉にも最愛の夫(享年49)を2年前に病気で亡くしたことだった。「夫は東京生まれで、沖縄は遊びに行くところと思っていた。移住なんて考えなかった」と振り返る。仲地さんからの誘いもあり、今年4月に母親(78)と一緒に初めて宮古島を訪ねて、気持ちを固めた。母親からは「まずは一人で行ってみて」と言われ、8月末に愛猫とともに移り住んだ。
石山さんは「人生の第3ステージを宮古島で歩みたい。職場は雰囲気がいいので、早く慣れて、仕事を充実させていきたい」と笑顔だ。
自動車学校は少子化などの影響があり、拡大が難しい業界で、人材確保が厳しいという。同校の上地成人社長は「移住を決めてくれて良かった。宮古島の生活を楽しみながら、仕事も頑張ってほしい」と歓迎している。同校には昨年から茨城県出身の女性も勤務しており、石山さんで女性指導員が3人となった