綱引きで豊年祈願/平良狩俣
伝統の十五夜祭り盛況
平良狩俣で13日、伝統の十五夜豊年祭(主催・狩俣自治会)が開かれた。祭りを締めくくる大綱引きは狩俣小学校前で行われ、多くの地域住民が東西に分かれて大綱を引き合い、向こう1年間の豊年を祈った。
御願パレードは午後4時30分から始まった。住民が集落を練り歩き、五つの聖地に踊りを奉納して五穀豊穣と無病息災を祈った。
日が沈むと、東西大綱引きが幕を開けた。小学校前の道路は地域住民や観客で埋め尽くされた。食べ物や飲み物なども準備され、会場は祭り一色だった。
第1戦は午後7時45分ごろに始まった。子どもから高齢者まで多くの地域住民が参加し、「ワッショイ、ワッショイ」の掛け声とともに綱を引き合った。
決着は第3戦まで持ち込まれ、今年は西軍に軍配が上がった。勝負が決まると青年会を中心とする若者がみこし担ぎを披露。担がれた男性が何度も宙に舞う姿は圧巻で、会場はひときわ大きな歓声に包まれた。
特設ステージでは、民謡ライブも行われた。住民らは、東の空に浮かぶ中秋の名月をめでながら宮古民謡を堪能。最後はクイチャーを踊って祭りを締めた。
みこしに乗った青年会の砂川裕寿さん(34)は「向こう1年も豊作が約束されたと思う」と充実感あふれる表情で話しながら額の汗を拭った。「狩俣にとって大事な行事なので、ぼくらがしっかりと引き継いでいきたい」と決意した。
地域の一大行事で陣頭指揮を執った自治会長の池間豊さんは「五穀豊穣と無病息災が約束された」と盛況な祭りを総括し、「今年も多くの子どもたちが来てくれているが、大人になってこの行事を受け継いでくれるはずだ。狩俣の大切な行事をみんなで大事にしていこう」と呼び掛けた。