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行雲流水
2017年6月15日(木)9:01

【行雲流水】(父の日)

 6月18日は「父の日」だという。たわむれに、本土にいる娘に「父の日が近いようだが…」と謎かけをしてみた。「えっ!沖縄ではまだやっているの?千葉県ではとっくの昔に廃止になっているのだが」。親も親なら子も子だ。笑いで、煙に巻かれてしまった

▼「母の日」にくらべて影のうすい「父の日」だが、ルーツはそれなりにある。1910年代のアメリカで、男手一つで6人の子どもを成人させた父親が亡くなった。その娘が教会の牧師にお願いして、父親の誕生月に特別の礼拝をしてもらったのが始まりだという

▼話題は共感を呼んで、6月の第3日曜日には赤いバラ(父親健在)や白いバラ(父親死亡)を胸につけて教会に行くようになり、とうとう正式に国の記念日になったという

▼6月第3日曜日を「父の日」としている国は、アメリカをはじめ日本、中国、イギリスなど27カ国に及ぶ。宗教の昇天祭などと関連づけて「父の日」を定めている国も多い。ロシアは2月23日、イタリアなど10カ国は3月19日が「父の日」だという

▼ちなみにネットで「父の日」をクリックすると、日本では「プレゼント商品」の広告宣伝であふれていた。「父への感謝の気持ち」は、商品を通してしか表現できないものなのか。ふと、疑問に思った

▼冒頭の漫才のような問答は、商品文化に浮かれている父親への揶揄(やゆ)だったのかも。父親が身近にいてもいなくても、「父の日」はやってくる。梅雨明けの天気のような晴朗な気分で迎えたいものだ。プレゼントはなくても、父の日々は是好日だ。

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