賛成少数で否決/市議会総務財政委
市長、副市長給与削減案
市議会総務財政委員会(嵩原弘委員長)は20日、市が備品購入の契約で議会議決を得ず契約を締結して代金を支払った問題の責任を取る形で、下地敏彦市長から議会に追加提出された市長と副市長の給与を3カ月、10%削減する議案の採決を行った結果、賛成少数で否決した。反対した委員からは当局の議会対応を問題視する意見が上がったほか、給与削減額の根拠が示せないなど誠実とは言い難い当局の対応も見られた。
委員会には当局から宮国高宣総務部長らが出席。今回の不適切な事務処理の責任として、市長、副市長の給与月額の10%を7月から9月までの3カ月減額させる条例改正案を説明した。
濱元雅浩氏が追加議案提出に至った経緯の説明を求めたのに対し宮国部長は「市長自らがけじめとして決めた」と答弁。新城元吉氏が10%3カ月という削減額の算出根拠を求めると「市長自らが決断し提案しているもの。私からはそういうことは言いかねる」として根拠を示さなかった。
濱元氏は「今回の議案は市長、副市長に説明してもらわないと、当事者でないと分からない」とした上で、当局が宮国部長対応と決めたいきさつをただすと「委員会へ市長、副市長が出席したことはないということで、副市長と相談し、私となった」と説明した。
提案理由にある「不適切な事務処理」とは具体的に何を指すのか質問した國仲昌二氏に対しては「職員の職務怠慢」として上で、具体的には入札終了後、契約書案を作成しながらそのまま放置し、月末まで気付かなかった一連の流れとの認識を示した。
新里聡氏は給与削減案を提出する原因となっている備品購入の追認を求める議案そのものを問題視。「一方的都合で議案を通せと言うのはどうかと思う。いったん取り下げて再度、提案すれば市民も納得すると思う」と条例に沿った手続きを行うべきと指摘した。
それに対し前里光恵氏は、追認議案がないと給与減額案は出せないとして当局の手続きを支持。新里氏は追認議案を取り下げても行政ミスがあったことは明白と反論し、3月末に発覚した問題を6月まで議会に相談しなかったことが問題を大きくしていると訴えた。
議案に対する討論では前里氏が「職員の不祥事だが監督責任として自ら身を処する内容」として賛成を表明。國仲氏は「問題なのは議会にすみやかに付すべきところをせず、黙認して支払いまでしたこと。それが提案理由に入っていなければ認められない」と反対した。賛否が割れたことから採決を行った結果、賛成少数で否決された。
同議案はきょう開催される市議会最終本会議で改めて審議される。