委員会否決を逆転可決/市議会最終本会議
追認と市長給与減額/与党などの賛成多数
開会中の市議会(棚原芳樹議長)6月定例会は21日、最終本会議を開き、市議会の議決を得ず、条例違反のまま締結した備品購入契約を有効にするための追認議決と、条例違反と知りながら決済した市長と副市長の給料を減額する議案をそれぞれ原案通り可決した。同議案は、総務財政委員会(嵩原弘委員長)では野党や新保守クラブなどが反対し、賛成少数で否決されたが、本会議では与党や公明などが賛成したため賛成多数で可決された。
最終本会議では、各委員会に付託された議案の審査内容を各委員長が報告した後、討論と採決が行われた。
追認議決に反対する議員は「議会の権限を無視した事業執行は認められない」「条例違反のまま、公金を支払ったのは、確信犯的な犯罪行為」などと市の対応を厳しく批判した。
一方、賛成する議員は「どちらが(議案否決か可決か)市民にとって利益があるのかを判断すべき」「国に交付金返還の可能性もあり、市民に不利益が生じる」などと反論した。
採決は挙手で行われ、与党会派と公明、中立会派の21世紀新風会の一部が賛成。野党や新保守クラブなどは反対したが賛成多数で可決された。
下地敏彦市長と長濱政治副市長の給与を3カ月間、10%減額する議案は「条例違反や公文書偽造の疑いなど、解明すべき点が数多くある」とし、野党などは反対したが、与党などは賛成し、賛成多数で可決した。
議会での可決を受け、下地市長の給与は7月1日~9月30日までの3カ月間、月額83万円から74万7000円に、長濱副市長は月額66万円から59万4000円にそれぞれ減額される。
可決された追認議決は、市スポーツ観光交流拠点施設(JTAドーム宮古島)内で、企業の会議や研修旅行などに使用する会議用テーブル、椅子などの備品購入(契約額3685万円)と、ドーム内で使用するバスケットボールのゴールなどのスポーツコート関連用品購入(3272万円)の2件の契約で、いずれも一括交付金を活用している。このうち、会議に使うテーブルなどの備品代金は全額支払われている。
地方自治法や市の条例では、2000万円以上の備品購入などの「財産取得」は議会の議決が必要となっている。