戦争繰り返さない/恒久平和を誓う
600人出席、戦没者追悼式/市、市教委主催
2017年度宮古島市全戦没者追悼式及び平和祈念式が23日、マティダ市民劇場で行われた。遺族や来賓、児童、生徒ら約600人が出席。追悼の言葉や作文朗読、合唱、黙祷などを通して戦争で犠牲になった人たちの冥福を祈るとともに「二度と悲惨な戦争を繰り返さない」との誓いを新たにした。
全戦没者追悼式及び平和祈念式は、沖縄戦で犠牲となった人たちを悼む、戦後72年目の「慰霊の日」を迎えるに当たり、宮古島市と市教育委員会が主催する合同慰霊祭で、今回で3回目。
式辞を述べた下地敏彦市長は、御霊に「謹んで哀悼の意」を、遺族には「敬意と感謝の意」をそれぞれ表した上で「宮古島市の発展が尊い犠牲の上に成り立っていることを肝に銘じ、明るく豊かな宮古島市を築き上げるために、より一層の努力をしていく」と決意を示した。
市遺族会の川満俊夫会長は追悼の言葉で「戦争の記憶が薄れようとしている今日、日本国がたどった歴史を学び、平和に思いをなすことは極めて重要なこと」と指摘。国家間の対立や民族紛争、テロ事件など、世界各地で起こっている争いを糾弾した上で「再び忌まわしい戦争の惨禍を繰り返してはならない」と訴えた。
遺族会の会員は現在15人で、高齢化が進んでいる。
砂川中学校2年の池間暖(のん)さん、宮古総合実業高校1年の平良碧(みどり)さんが「平和を考える作文」を朗読。平和な世界を築くために、若い世代が自分たちに出来ることを内外に発信していこうと呼び掛けた。
来賓を代表して市議会の棚原芳樹議長、県宮古事務所の稲福具実所長が、それぞれの立場から平和な島の構築へ全力を尽くす考えをあいさつに込めた。
下地市長は平和メッセージで、島の将来を担う児童、生徒たちに「今一度、体験者の話に耳を傾けてほしい」と強調し、平和のためにできることは何かを考えて行動することを呼び掛けた。 みやこ少年少女合唱団80人が「月桃の花」「芭蕉布」を合唱し、詩に込められた平和の思いを歌い上げた。
犠牲者の名を刻んだ糸満市摩文仁にある平和祈念公園の「平和の礎(いしじ)」には、宮古関係者は今年新たに2人が追加され、刻銘者数は3279人となった。