ストレスと上手に付き合う/市自殺対策強化事業
仲本氏が認知行動療法を講演
2017年度地域自殺対策強化事業として25日、「ストレスと上手に付き合おう~予防と回復のコツを学ぶ!~」(主催・宮古島市福祉部障がい福祉課)と題した講演会がJTAドーム宮古島で行われた。講師に前沖縄県立総合精神保健福祉センター長で、田崎病院の仲本晴男院長を迎え、約100人の参加者が、認知行動療法による、心の反応とストレスへの対処などを学んだ。
仲本院長は「うつは心の習慣病で、認知行動療法を活用すると、心の習慣を改善できる」と説明し「行動の低下とうつ感情の悪化は密接な関係があるので、家にこもるとうつ状態は長引く。心配や悩む時間は10~30分以内に限定して、次の行動に移ることで、ネガティブ(否定的、後ろ向き)な考え方を修正できる」と述べた。さらに「楽しい行動とうつ感情の改善も密接な関係があり、楽しい活動を増やすと、回復が早くなる」と話した。
仲本院長の講演に先立ち、宮古島市福祉部障がい福祉課の下地正通保健師が市の自殺の現状と同課の取り組みについて紹介した。
2014年の自殺の状況は全国で2万5218人、県内は283人。宮古は12人で、人口10万人に対しては21・82%と、全国、県の自殺率を上回っていた。同課は自殺防止に向け▽うつ病▽アルコール▽思春期-の三つの分野で対策を実施し、16年の自殺者数が6人となったことなどを報告した。
講演会に先立ち市福祉部の下地律子部長は「ストレス社会といわれる今日、この講演が、今後の生活で必ず役立つ、有意義なものとなることを願っている」とあいさつした。
認知行動療法 認知は「現実の受け取り方」や「ものの見方」などで、その認知に働きかけて、心のストレスを軽くしていく治療法。