今一度、襟を正して/市長が職員に訓示
議決前契約締結問題で
職員の不適切な事務処理により議会議決が必要な契約を議決前に締結し、その後、市議会へ契約締結日にさかのぼって議決するよう求めた問題を受け、下地敏彦市長は3日、市役所各庁舎などで職員へ訓示を行った。一般職員や管理職職員に対し、今一度、襟を正して仕事に取り組むよう求めるとともに、今後の不祥事には懲罰規定を厳格に運用する考えを示した。
同問題は、JTAドーム宮古島の備品とスポーツ関連用品購入の契約金額がいずれも2000万円以上で契約締結前に議会議決を得る必要があったにもかかわらず、職員が事務処理を怠り手続きを放置。3月末に気付いたものの、年度内に議決を得ることは困難と判断した市当局が議決を得ぬまま契約を締結した後、市議会6月定例会へ契約締結日にさかのぼって議決するよう求める追認議案を提出したもの。一部の議員は「議会軽視だ」などと市当局を強く非難していた。
訓示は市役所各庁舎のほか市消防本部、上下水道部庁舎で行われた。
平良庁舎での訓示で下地市長は、今回の問題に関し議員から「議会は追認機関ではない」や「条例が守られていない」など厳しい指摘を受けたことを語るとともに、「事業の執行に際しては決裁の区分、特に議会の議決を要する事案かどうかのチェックは公務員としてのいろは。ましてやその処理を忘れていたなど言語道断」と厳しく叱責。上司に当たる職員の責務については「部下職員の職務内容を日ごろから十分把握しておくことは当然」などと指摘した。
一般職員に対して今後は、自身の業務について年間を通しての綿密な行程表を作成し、それに沿って計画的に業務を遂行すること、管理職職員には部下の業務の進ちょくを法令に基づいてチェックし、指導、監督に努めることを求めた。
「今一度、襟を正して仕事に取り組んでもらいたい」と訴える下地市長。今後の不祥事には懲罰規定を厳格に運用する考えを示した。