行雲流水
2017年7月13日(木)9:01
【行雲流水】(辺野古)
県議会は、知事の「工事差し止め仮処分訴訟」に同意するようだ。普天間飛行場の辺野古移設をめぐる政府と県の対立は、再び法廷に持ち込まれる。日米両政府間で普天間飛行場の返還に合意してから21年。混迷はなおも続く。県政与党のなかには、さらに踏み込んで「埋め立て承認の撤回」を知事に迫る動きもある
▼一方、政府は工事差し止め仮処分訴訟については勝てるとみているようだ。また、埋め立て承認撤回があった場合には県を提訴することを検討しているようだ
▼県が埋め立て承認を撤回した場合、工事はストップする。政府が提訴して勝った場合、その間の損害賠償を県に求めるかもしれない。会計検査院が黙っていないからだ
▼政府が負けた場合には、特別立法により知事の埋め立て承認権を国土交通大臣に移管して、工事を強行するかもしれない。ただし、1県のみに適用される特別法の制定は、県民投票による同意が必要だ(憲法第95条)
▼この対立構図は、双方にとってオールorナッシングになり、しこりが残る。予算折衝などでギクシャクしないかどうか。そうなる前に妥協の方法はないものか
▼来年1月の名護市長選にあわせて、知事選と「辺野古の是非を問う県民投票」を実施する案はどうだろうか。辺野古についての県民の意思がより鮮明になる。政府も県も結果を尊重することで妥協すればいい、と思えるのだが。ただし、これには対米交渉と任期途中の知事の辞職が必要だ。はたして、米国と県政与党の同意がえられるかどうか。