子供の貧困対策で連携強化/島尻内閣府大臣補佐官が来島
島内視察し、市と課題共有
子供の貧困問題解決に向け、宮古島に視察に訪れている内閣府の島尻安伊子大臣補佐官は14日、市役所平良庁舎に長濱政治副市長を訪ね、同問題について意見を交換するとともに、ニーズに即した取り組みの必要性を共有。今後、国、県、市が連携をさらに密にした施策の必要性を確認した。
子どもの貧困をめぐっては国、県ともに緊急的な対策予算を確保し、各種事業を実施。子供の居場所対策として無料塾も島内に複数カ所開設されている。
今回、島尻氏は、無料塾で学ぶ子供たちの様子や、上野中学校での速読学習などを視察した。
長濱副市長との面談で、島尻氏は「子供の貧困問題は、沖縄振興の残された課題。内閣府の取り組みもより有効な施策にする必要がある。社会資本とソフト面を並行して進め、ニーズに沿った効果的な取り組みにする必要がある」と訴えた。
長濱副市長は「子供の貧困対策についてはいろいろな課題が一気に押し寄せている感じがする。それに私たちがうまく対応していく必要がある」と話した。
宮古視察の感想を島尻氏は「学校現場と子供たちの居場所をつなぐ、支援員が活躍するイメージを持っているが、それには関係者が効果的に連携することが大切だと感じた。昨年度から始まった各事業についても課題が指摘されているが、国、県と市が互いに連携しながら解決に向けた施策を今後講じていきたい」と述べた。
さらに「もう一つの課題として、夜間における子供の居場所の問題がある、実際にニーズがあり、市としても検討してほしい。内閣府の対策事業もあるので、国と市で連携を図っていければと思う」と呼び掛けた。
長濱副市長は「島の未来のためにも若い人たちが定住してくれる必要がある。そのためには子供たちを安心して育て、暮らしていける環境が必要。そうした環境づくりに向け国、県と一緒にやっていきたい」と述べた。
離島対策について島尻氏は「これまでも内閣府は力を入れてきたが、さらに進めていく必要がある。国としても『島の人口は減らさない』という大儀の下に考えているので、宮古島のためにできることはやっていきたい」と支援を約束した。