飲酒運転の恐怖体感/実体験型講習会開く
参加者「通常とはまったく違う」/宮古島署など
「大丈夫だろう思ったけど、怖かった」-。16日に宮古自動車学校で行われた飲酒運転実体験型講習会で、参加者から聞かれたコメントだ。この講習会では関係機関や団体のメンバーら6人が1時間ほどの飲酒を経て、同校内のコースで車を運転し、安全運転のチェックを受けた。ほろ酔い気分で挑んだ参加者からは「やっぱり飲酒運転は怖いということが実感できた」との声が多く聞かれた。
この講習会は、飲酒運転の根絶を目的に、宮古島警察署や宮古島地区交通安全協会、地域交通安全活動推進委員などの関係機関のメンバーが参加して行われた。
開会のあいさつで、大城辰男署長は「管内の飲酒運転の検挙件数は16日現在で58件。昨年の同時期よりも18件も多い。現在は夏の交通安全県民運動期間中だがほぼ毎日発生している。実際に飲酒運転を体験して、周囲にその怖さを伝えて飲酒運転撲滅に協力してほしい」と呼び掛けた。
さらに、同協会の新里孝行会長も「酒は少し飲んで運転しても、いかに危険かを体験するとともに、飲酒運転の怖さを市民全体に広げてほしい」とあいさつした。
式の後、自動車学校の川上元務校長による講話とDVD鑑賞が行われ、実体験者6人は1時間ほど酒を飲んで実体験講習に挑んだ。
ほろ酔い気分の参加者たちからは「私は結構大丈夫だと思う。採点も満点で帰ってくるよ」と意気込むも、終了後は苦笑いで「やっぱりダメだった」と感想を話した。
実体験講習を終えた下地恭平さん(27)は「結構いけると思ったけど、やはり通常とは感覚がまったく違った。2回も脱輪した。実際の道路だったら巻き込み事故になっていたかもしれないと考えると恐ろしい」と飲酒運転の恐怖を振り返った。
そのほかの参加者も、いつもは習慣になっているシートベルトをせずに発信しようとしたりするなど、飲酒が安全な運転にとって弊害であることを体感していた。
今年の上半期(1~6月)における同署管内の飲酒運転検挙件数は50件で前年同期に比べ17件(34・0%)増加。午前7時台の検挙件数が13件と最も多く、全体の26%を占めている。