博愛の心を子々孫々へ/佐良浜漁師顕彰碑10周年祝賀会
佐良浜漁師顕彰碑建立10周年記念祝賀会(主催・同実行委)が17日、伊良部前里添多目的施設で開かれた。地元の人や関係者が大勢参加し、節目を祝うとともに博愛の史実を子々孫々に伝えていくことを改めて確認した。
顕彰碑は、1873(明治6)年7月、ドイツ商船ロベルトソン号が上野の宮国沖で座礁・難破したことを知った佐良浜漁師8人と宮国住民らが協力して乗組員らを救助し手厚く介護したことをたたえるもので、佐良浜漁港近くに期成会が建立した。
顕彰碑は高さ2・5㍍、幅1㍍。重さ4・4㌧で、台座の上に設置されている。いずれも中国産の御影石で、宮古島リハビリ温泉病院の奥原典一理事長が寄贈した。
祝賀会であいさつした奥原さんは、「我々の先祖は勇敢で、危険な荒海にも舟をこぎ出した」と述べ、先人が命懸けで救助した勇気ある功績をたたえた上で「末長く語り継いでいこう」と呼び掛けた。
伊良部漁業協同組合の漢那一浩組合長は、漁師8人を「地元の英雄」に例えて語り、顕彰碑については「先輩たちが築き上げてきた財産を引き継いでいく」と祝辞を述べた。
前里添自治会の長嶺政二会長は「このような祝賀会が開催できるのは喜ばしいこと」とあいさつした。
舞台では、前里添、池間添の両老人クラブや、みどり、あけぼのの各クラブが趣向を凝らした余興を披露し盛り上げた。