海岸管理、市に移管へ/県と市村の意見交換
ビーチ営業の取締強化/条例で許可制導入へ
市内ビーチが不法占用され、無秩序な営業活動が指摘されている問題で、県がビーチ(公共海岸区域)の管理権を市に移す方向で準備を進めていることが27日までに分かった。市は年度内に海岸管理に関する条例を制定し、来シーズンから適用する方針だ。ビーチ内営業においては許可制度を導入し、不法占用や違法営業に関する取り締まりを強化するものとみられる。
同日開催された宮古管内県機関と宮古圏域市村との意見交換会の中で、県と市の双方が海岸管理を移管する方向性を確認した。
市は県への要望の中でビーチの現状を報告。市内のビーチでマリンレジャー事業者が増えていることを紹介し、「一部の事業者は無秩序に事業を展開している状況が見受けられ、観光客や地元住民とのトラブルが発生している」と指摘して改善の必要性を求めた。
一方で事業者がレンタルするパラソルや各マリンレジャーグッズの利用度が高いことを挙げ、「このようなグッズを利用して宮古島の海を楽しんでいる観光客が大勢いることも事実。利用者の利便性向上にビーチ内の事業者が寄与しているのは明らかだ」とした。
この現状を踏まえて海岸利用のあり方、ルール化の必要性を主張した。「違法に事業を展開している業者に対しては厳しく取り締まりを行うほか、区画の整理や安全監視への条件を付した上でビーチ内での営業ができる許可制度を設ける必要がある」とした。
これに対して県は「市の観光政策を含めた管理の検討が必要と考えている」との見解を示し、「管理を移したい」と回答した。
この返答に下地敏彦市長は「移管の方向という受け止めで良いか」と質問。県の了承を受け、「私どもはその方向で準備を進めていきたい」と述べ、海岸管理のあり方をゼロベースで練り直す考えを示した。
市によると、ビーチの利用をめぐっては、「海岸を利用しにくい」という地元住民の苦情や、営業活動に関する問い合わせが多く寄せられているという。
市は、こういった声に応えられる条例を制定して海岸を管理する方針だ。
県と宮古圏域市村との意見交換では、このほかにもさまざまな課題について話し合った。宮古空港の充実整備について県は「駐機場の拡張事業に今年度より着手したい」と回答した。
農林水産物流通条件不利性解消事業における対象品目へのイモペースト追加要望には「イモペーストは保存が可能であり、集約して輸送できることから対象品目に組み込むことは難しいと考えている」と述べた。