子供たちが疑似手術体験/医療の最前線に触れる
宮古病院でオープンホスピタル
県立宮古病院(本永英治院長)は29日、同院でオープンホスピタルを開催した。日ごろ見ることができない病院施設の見学や体験などを通して、医療現場の最前線に触れた。地域に開かれた病院を目指すイベントで今回で3回目。夏休み中の子供たちを中心に多くの市民が訪れた。
オープンホスピタルは、病院の役割や機能、設備を広く市民に理解してもらおうと開催。子供たちが、医療従事者との触れ合いや医療体験を通して、夢を膨らませる機会にすることも目的にしている。
1階外来ロビーでは、血圧測定や医療機器の展示、看護師体験、おむつの紹介など14のブースを設置。「病院探検隊」と称した施設内見学やクイズも実施し、医師や看護師、検査技師、事務職など約100人の医療スタッフが当たった。
このうち、手術のまねが体験できるブースでは、手術着やキャップ、マスク、手袋などを装着した子供たちが、電気メスや超音波メスを使い鶏肉を臓器の一部に見立ててメスを入れた。
子供たちを対象にしたミニ講座では、医師が多量飲酒につながる「オトーリ」を指摘し「飲み過ぎると肝臓が悪くなる。オトーリはは身体を痛める行為。お父さんがオトーリをしようとしたらやめさせよう」と呼び掛けた。
手術の疑似体験をした砂川春香さん(高3)は「スパッと切れて気持ち良かった。スタッフに『先生手術お願いします』『無事終わりました』と声を掛けられて本物の医師になった気分。将来は看護師になるつもりだが、医師になろうかなと思った」と笑顔だった。
夫が同院に看護師として勤務しているという新垣あすかさん(40)は「子供たちに父親の働いている場所を見せたかった。歯磨きの指導など役に立つブースがたくさんあって楽しいです」と話した。
本村院長は「病院の業務を知ることで、宮古にも人材ニーズがあることを分かってほしい。子供たちがいったん島を離れても、将来は戻ってきて働ける場があるという認識につながれば」と開催の意義を強調。実行委員長の本村悠子副院長は「イベントを通して、子供たちに夢と希望を与えられれば」と話した。