認知症高齢者10人に1人/宮古島市
「予備軍」含めさらに高く/市、サポーター養成など対策強化へ
宮古島市の65歳以上の高齢者(1万3054人)に占める認知症の割合は、今年3月末現在で13・2%(1723人)となり、約10人に1人が認知症であることが市高齢者支援課のまとめで分かった。認知症になる可能性がある軽度認知障害(MCI)、いわゆる「予備軍」と呼ばれる人を含めると、認知症の割合はさらに高くなるとみられている。
市はこういった背景から、認知症やその家族を支援する「認知症地域支援推進員」を配置したほか、今年度から、認知症サポーター養成講座の講師役「キャラバン・メイト」連絡会の組織を強化するなど、対策に向けた取り組みを本格化させた。
高齢化社会の進展で、認知症は患者やその家族だけの問題ではなく、地域全体で支援することが求められている。
このため市は①認知症についての相談支援②医療との連携を図るための支援③認知症を身近な病気と知ってもらうための活動-を展開する4人の推進員を配置。市の広報誌で、4人の顔写真とその役割を掲載し周知を図った。
また、今年度から夏休み中の小学生を対象にした「認知症キッズサポーター」の養成講座を開催。認知症キャラバン・メイトが、市内4カ所の児童クラブで、認知症のことや認知症の人への接し方などを、紙芝居などで分かりやすく教えている。
さらには、認知症の人が店舗などを訪れたことを想定した寸劇シナリオを作成。キャラバンメイトが事業所の幹部らを対象にして、窓口対応などについての講座も開いた。
今月3日に行われたキャラバン・メイト連絡会では会員17人が参加し、会則や活動計画などを確認。役員体制も整えて、情報交換やスキルアップおよびまちづくりのネットワーク構築を目指して活動することを確認した。
市高齢者支援課は、正常な状態と認知症の中間とみられるMCIの有病率などは把握できないとしながらも、将来的には認知症の人や、64歳以下の人が発症する「若年性認知症」の人は増える見通しであると指摘。その上で「認知症に関する正しい知識と、理解を深めてもらうための啓蒙(けいもう)活動が大事になってくる。認知症の人を温かい目で見守る認知症サポーターを一人でも増やして、安心して暮らせる街づくりにつなげていきたい」と話している。
認知症に関する問い合わせは、市高齢者支援課介護予防係(電話73・1979)まで。