行雲流水
2017年8月8日(火)9:01
【行雲流水】(ノーモアヒロシマ)
ナチスドイツの原爆開発を危惧、アメリカは原爆開発を進めた。ところがドイツの敗戦後も開発は進められ、完成した原爆は広島と長崎に投下された。この原爆投下は、ヤルタ会談で予定されていたソ連の対日参戦の前に原爆を投下することで、戦後世界の主導権を握ろうとする米国の意図によるもので、「政治」による人道にもとる行為であった
▼その後、冷戦下のキューバ危機や朝鮮戦争等で原爆使用の危機が何度かあった。そうした中で、「人類の絶滅か、戦争の放棄か」と訴える「ラッセル・アインシュタイン宣言」の呼び掛けに応じて世界の科学者によって、パグウォッシュ会議が組織され、日本でも湯川秀樹を中心に京都会議がつくられ、反核運動が展開された
▼当地でも毎年8月6日に原水爆禁止大会、デモが行われた。世界の圧倒的世論が、かろうじて原爆使用を阻止したとも言える
▼現在、ロシアとアメリカはそれぞれ約7000発の原爆を保有している。中国は260発である。人類の生存を脅かすリスクは大きい
▼ところで、この7月7日、国連総会で「核兵器禁止条約」が122国・地域の賛成で採択された。核の保有や使用、核による脅しなど全面的に禁止する画期的なものである。しかし、核を背景に、覇権を進める核保有国に参加していない。唯一の被爆国日本の不参加にも世界は落胆している
▼日本には、核保有国と非保有国の橋渡しをして、原水爆の恐怖のない世界の構築に一定の役割を果たすことが求められる。「ノーモアヒロシマ!」