雨降らず被害じわり/ロール現象、立ち枯れも
キビ農家 かん水作業に汗
宮古島地方は降水量が少ない傾向が続き、サトウキビ農家は畑へのかん水作業に追われている。灌漑施設が整備されていない畑では大型トラックでのかん水が本格化した。一部の畑では、キビの葉がロール状になる現象に加え、立ち枯れかかったキビも見られるなど被害も出てきた。農家は被害の拡大を懸念し、まとまった雨を求める声を上げている。
市の補助によるかん水は3日から始まり、農家の申し込みも徐々に増え始めた。
市農政課によると、宮古地区トラック事業協同組合には7日までに約1200台のかん水の申し込みがあったという。
かん水の費用は大型トラック1台当たり3900円で、農家負担は2000円。残り1900円は補助。
かん水できる量は1農家20㌃(トラック6台)を1巡とし、2巡目以降は降雨量を見ながら判断する。
かん水の優先度は①夏植え用の種苗②春植え③株出し④夏植え-の順で、市では徹底するよう呼び掛けている。
城辺福東のキビ生産農家の男性は、自助努力でのかん水を試みたが「炎天下、ホースをたぐり寄せる作業は大変な労働で、体力がもたない」と話し、7日にトラックでのかん水を申し込んだという。
畑周辺のキビは青々としているが、一歩中に踏み入れると立ち枯れたキビが目立つようになったと言い「このまま雨が降らないと被害が大きくなる。台風によるまとまった雨に期待するしかない」と話した。
少雨傾向情報は発表されていないが沖縄気象台によると、8日~14日までの週間天気予報では晴れや時々曇りが多く、降水確率は10%~20%と低くなっている。降水量は平年より少ない見込み。