平均受診率が大幅下落/市17年度がん検診
肺がん、胃がんは半数に/市、積極受診を呼び掛け
市の2017年度特定健診・長寿検診・がん検診の集団健診(保健センター、公民館で実施)が7日からスタートしている。市健康増進課のまとめによると、がん検診の平均受診率が年々下降傾向で推移していることがわかった。同検診の担当課である国民健康保険課は「検診で早期にがんが発見されたケースも多い。自分の健康のためにもぜひ、検診を受けてほしい」と呼び掛けた。
今年度のがん検診は、21の指定医療機関で受診する個別検診が7月からスタートし、今月7日からは集団検診でも実施されている。
検診の種類は、胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮頸(けい)がんの5種類。
5種類の平均受診率は2008年の22・1%から10年には20%を割り込んで19・8%となり、その後は年々下降し、15年度は17・8%となっている。
特に、肺がん、胃がん(バリウム)、大腸がんの受診率が軒並み下落している。
08年に13・2%だった大腸がんの受診率は、15年には9・6%に落ち込んでいる。さらに、下落幅が大きいのは肺がんと胃がんで肺がんは22・8%が11・5%に、胃がんは9・0%が4・5%に落ち込んでいる。
市健康増進課では「個別検診は本人の都合に合わせ日程や医療機関を選択し、基本検診と同時に受診可能なことから、集団検診で受診の機会を逃したり、仕事で平日は受診できない場合などは個別検診を積極的に活用してほしい」と呼び掛けた。
県全体における死因の第1位は依然としてがんがトップ。大腸がんの死亡率については女性が全国ワースト1位で男性もワースト2位となっている。
市の14年度におけるがん部位別死亡割合で、大腸がんは2位となっていることから、積極的な受診を訴えている。
同課では「便を提出するだけの簡単な検査であり、体に負担もかけない。がんだけでなくポリープや大腸炎などの病気も発見できるので年1回は検査をしてほしい」と話した。
こうした状況を踏まえて同課では「がん検診では、がん以外の病気が発見されることも多いし、早期に発見できれば、しっかり治療することもできる。怖がらずに検診を受けてその後の精密検査も忘れずに受けてほしい」と呼び掛けている。