農地に建設用機材/市農業委員会
「違反転用」現場を視察/優良農地確保へ一丸
市農業委員会(野崎達男会長)は10日、農地パトロールを実施した。約40人で宮古一円を回り、耕作放棄地や農地の違反転用の有無を調べた。平良松原では農地の無断(違反)転用が疑われている現場を視察。本来の農地に建設用の重機が置かれていることを確認した。ただ、この場所を使う会社の関係者は「無断転用という認識はない」などと反論。重機は仮置きで、農地としての利用計画があることを主張している。
出発式の後、はじめに市農業委員会が農地の無断転用を指摘する平良松原の現場を視察した。農業用パイプハウスほか、重機など複数の建設関係機材が置かれていることを確認。現状において農地としての機能がないことを見て取った。
委員らは視察後、「これは農地ではない」「問題がある」と指摘し、原状回復の必要性を共有した。
ただ、無断転用が疑われている会社の関係者は、建設用重機は仮置きで「無断転用という認識はない」と説明。農業委員会には水耕栽培に取り組む5年間の事業計画書を提出していると主張し「農地に適した使用方法だ」と話している。
農業委員会は昨年6月から複数回指導を続けているといい、「今後も指導していく」と、引き続き原状回復を求める方針だ。
農地パトロールは、①遊休農地の実態把握と発生防止および解消②農地の違反転用発生防止-が狙い。全国統一的な取り組みで、毎年8月~11月の間に実施している。農業委員のほか県や市の職員が参加し、宮古各地の農地を見て回った。
出発式で野崎会長は「農地は一度、農地以外に転用されると元に戻すことが極めて難しいことから無秩序な転用を防止し、農地制度に基づいて転用を行う必要がある」と指摘。「今年も無断転用や一時転用後に原状回復の義務があることを周知するチラシを宮古圏域の土木・建築関係の200社余りに配布し、違反の未然防止を呼び掛けたい」と話し、協力を求めた。