迫真の演技で魅了/劇団かなやらび
子ども団員に万雷の拍手/宮古物語、きょうも公演
劇団かなやらび主催の公演「クスムヌドゥムタ~心の蕾~」が12日、マティダ市民劇場であった。この日のために稽古を積み上げてきた子ども団員が迫真の演技を発表。宮古島を舞台とするファンタジーあふれる物語で観客を魅了した。公演は2日間行われる。13日の開演時間は午後2時。
かなやらびの団員は宮古島の小、中、高校生で、事前のオーディションを突破した6人を含めて24人の団員が舞台で躍動した。
物語の舞台は太古の宮古島。「鬼に喰われた心」を取り戻すファンタジーで、宮古島の神話や歴史を拾い集めて戯曲化した。劇中では宮古方言も使用した。
初日は午後2時から福祉施設の皆さんを対象にプレビュー公演を行い、午後6時から本公演を開いた。
子どもたちは各公演で熱演した。稽古の成果を伸び伸びと発揮し、時には気迫を込めて、時にはユーモラスな演技を見せた。
観客は衣装、メイク、舞台設営にも目をこらしながらミャークファンタジーの世界を堪能。1時間40分間を演じ切った子どもたちに大きな拍手を送り、日ごろの文化活動をたたえた。
劇団のリーダーを務める宮高1年の伊禮二千花(にちか)さんは「初回はまずまずです」とにこり。手応えを感じた様子で「今回の公演はミャークファンタジー第2弾で、昨年の第1弾と関連する部分がある。宮古島の伝説や方言もたくさん取り入れているので、みんなが楽しめる内容になっていると思う」と話し、多くの来場を呼び掛けた。
副リーダーで平良中3年の石原太朗君は「昨年と同じでとても緊張した」と公演前は舞台裏でしゃがみ込んでしまったという。それでも公演が始まると徐々に緊張もほぐれ、「最後は演じていて楽しかった。よくできたと思う」と初日の公演を振り返った。また「最後はみんなが仲良くなるストーリーなのでとても楽しめると思います」と話して公演をアピールした。
団長の池間出さんは「どこかミャークのようだけどどこにもない世界。そこには伝承で聞いたような懐かしい、それでいて新しい世界を子どもたちが作り上げている」と話し、子ども団員の迫真の演技をたたえるとともに、2日目公演への多くの来場を呼び掛けた。
公演は13日まで。開場は午後1時36分、開演は午後2時。当日チケットは700円(未就学児は無料)。