絶滅危惧種 ミヤコカナヘビの捕食確認
外来種のニホンイタチ/宮古諸島を調査
県環境部 生態系保全推進へ
【那覇支社】県環境部は14日、外来種のニホンイタチが宮古諸島の絶滅危惧種ミヤコカナヘビを捕食していることが、県の調査で判明したと発表した。ミヤコカナヘビの減少にニホンイタチが影響している可能性は以前から指摘されていたが、実際に捕食が確認されたのは今回が初めて。同部の大浜浩志部長は「ニホンイタチが宮古諸島の生態系を損なっていることが分かった。防除方法を検討していきたい」と、宮古の生態系保全を推進する方針を示した。
県は宮古諸島の生態系保全のため、2016年度からニホンイタチの対策事業を実施している。その一環として、宮古地区で採取した約70個のニホンイタチの糞を分析したところ、ミヤコカナヘビの下顎の骨と後肢が2地域(宮古島・伊良部島)で確認されたという。
ミヤコカナヘビは、全長が雄・雌ともに約30㌢ほどで、体長の約75㌫を占める長い尾が特徴。宮古島・伊良部島・来間島などに分布しているが、宮古島以外ではほとんど発見されない状態が続いている。国と県の絶滅危惧種に指定されているほか、国内稀少野生動植物種でもある。
ニホンイタチは、雄の頭胴長が27~37㌢、雌は同16~25㌢になる。本州や九州などが生息域だったが、宮古諸島には1960~70年代、サトウキビを荒らすクマネズミなどの駆除を目的に約4500頭が導入された。県の文献調査では、沖縄諸島には2897頭、八重山地区にも4084頭が導入されたという。県の対策事業は、最も導入数が多かった宮古地区を先行して実施している。
同部の金城賢自然保護課長は「宮古では今後、ニホンイタチの駆除を行いながら効果的な防除方法も検討していく」と語った。
県は、ニホンイタチやクジャクなど、県内の生態系に影響を及ぼしている可能性が高い外来種のリストを今年度中に作成する。19年度には行動計画を策定する方針。