県、安定供給向け調整へ/学校給食牛乳問題
牧場運営の見通し立たず
宮古で唯一の酪農牧場の土地と建物が先月、競売にかけられ、落札されたことを受けて今後の牧場運営の見通しが立たず2学期からの学校給食における牛乳の供給が不安視されている問題で、県農林水産部畜産課と県学校給食会とも9月以降の安定供給に向けて今後、調整に乗り出すとしている。
宮古の現状について、同課は「いまだに土地と建物の所有権が正式に落札者に移っていない」とし、「それが決まらないと相手と話し合いができない状況。9月の初旬には決まると思うので決まり次第話し合いを持ちたい」との見解を示した。
今後の見通しについては「落札者がこの土地では別の計画があるとして、使えなくなる可能もあるが、宮古で唯一の酪農牧場であり、宮古の学校給食における牛乳の供給は大切な問題なので、できるだけ継続できるようお願いしていきたい」とした。
加工乳での対応については「県としては生乳が供給できないなら加工乳で良いとは思っていない。生乳供給に向けて落札者と加工業者との話し合いを早急に持ちたい」と述べた。
一方の県学校給食会側は、「継続的な生乳の供給に向けて、各方面とも意欲を示していると聞いているので、大丈夫だと思う」としながらも、「現在は、牧場側と落札者側でうまく話し合いが進んでいない状況だと思う。しかし、現段階で私たちがこれ以上踏み込むことは難しい」と述べた。
さらに、最悪のケースも想定して「実際に生乳の確保が困難になった場合は本島内の民間業者で対応できるのか今問い合わせをしている段階。しかし、本島内の生乳も不足している状況なので難しい部分もある」と話した。
2学期に向けて残り時間が少なくなっていることについては「今後も情報を収集して、見通しが厳しい場合は代替案を市教育委員会と調整していきたい」と話した。