米軍ヘリ墜落想定し図上訓練/宮古島署・海保・消防
情報共有、連携など確認
宮古島警察署(大城辰男署長)宮古島海上保安部(久留利彦部長)、宮古島市消防本部(来間克消防長)の3機関合同による航空機事故を想定した図上訓練が28日、宮古島警察署で開かれた。与那覇前浜ビーチに米軍ヘリコプターが墜落したとの想定で、3機関が互いに情報を共有しながら初動対応や消火、救助活動などでの連携を確認した。
同訓練は「日本国内における合衆国軍隊の使用する施設・区域外での合衆国軍用航空機事故に関するガイドライン」に基づき実施されたもので、宮古島署から6人、海上保安部から5人、消防本部から9人の計20人が参加。内閣官房沖縄危機管理官の黒川清彦氏が立ち会いの下で行われた。3機関による合同訓練は宮古島では今回が初。
訓練は一般市民から宮古島署に「前浜ビーチにヘリコプターが墜落し、炎上している」との通報があったところからスタートした。消防、海保にも情報が伝えられ、警察、消防、海保が順次、現場に到着し、墜落したのが米軍機で、6人の負傷者がいることを確認。墜落直前にヘリから米軍人1人が海に落ちたとの情報も得る。
消防が消火と救急活動、海保は巡視船などを出動させ不明者の捜索、警察は周辺の安全確認などを行うとともに、現地に対策本部を設置。現場で対応する署員らと現地本部、宮古島署、海保、消防がその都度、連絡を取り合いながら不明者の救助、負傷者の搬送、周辺の警備、消火活動を終えるまでの手順を確認した。
訓練終了後、黒川管理官は「今訓練の目的は米軍航空機事故が発生した際に被害者の救出、救助を確実にし、二次被害の防止を図るとともに、住民の安心安全を確保すること。そのためには皆さんの安全確保が重要。活動をする際には危険物情報の入手を確実にしてほしい」と指摘するとともに「訓練を日ごろから継続して実施し、ガイドラインに対する理解を深めることも大事だが、みんなが顔を合わせて訓練をすることで、関係機関の緊密な連携が深まることも大事」と呼び掛けた。