「ドームの有効活用を」/県が宮古地区で開催
MICE振興戦略を説明/10年後の経済効果など紹介
県の沖縄MICE振興に関する宮古地区市村を対象にした説明会が29日、県宮古合同庁舎で行われた。県の担当者から先月策定された「沖縄MICE振興戦略」についての説明などが行われた。県の担当者からは地域経済への大きな経済的波及効果が期待できることや、宮古においてはJTAドームを有効に活用するために県や関連機関と連携を密にして情報を共有することなどが呼び掛けられた。
MICEとは、企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨・研修旅行(Incentive・Travel)、国際機関、団体、学校等が行う国際会議(Convension)、展示会、商談、イベント(Exhibition・Event)を総称した略語。
企業、組織が課題の解決を目的に開催するという点で、一般観光とは明確に性質が異なっている。
県内における2016年度の開催状況は、1177件で内訳はインセンティブ旅行が642件で全体の55%。次いでミーティング240件(20%)、展示会・イベント118件(10%)となっている。
規模別では、100人未満が全体の約6割を占め、100~299人が20%、300~999人が7・5%、1000人以上が7・1%となっている。
その意義と効果について県からは、観光分野を中心に高い経済効果が期待できることが示された。
具体的には、新たなビジネス客獲得や数年前に開催地が決定することからキャンセルも少ないことなどが説明された。
さらに、産業の競争力強化にもつながるとして、参加者との交流による開催地側のビジネス獲得やイノベーションの創出による産業の高度化が図られるとしている。
県の担当者からは「通常の観光とは違い、MICEの場合は参加者からの要求も高い。それに対応するには迎え入れる側の勉強も必要だし、技術的なトレーニングも必要」と訴えた。
さらに「宮古島には規模の大きなJTAドームもある。いろいろなイベントも仕込むことができるので、ぜひ、県とも調整してほしい。そのほか訪れる人たちは、観光だけでなくビジネスとしての目的も持っている。地元側もそれを踏まえて自分たちの地域のプラス要素をアピールする知恵を出してほしい」と呼び掛けた。
説明会には、宮古島市と多良間村のほか関連団体の担当者らが参加し、県の説明を受け、宮古におけるMICE推進に向けて意見を交換した。
同振興戦略の目標としては、日本とアジアの架け橋となり、アジア・太平洋地域の持続的発展に貢献するMICE都市として、確固たる地位を確立するとしている。
その数値目標としては、直接経済効果として基準年の16年が209億円に対して、5年後の21年には約2倍の413億円。10年後の26年に722億円を見込んでいる。
「沖縄MICE振興戦略」は、今後10年間に県全体で振興していくための計画として先月策定され、この戦略を県全体で展開していくための産学官の推進団体「沖縄MICEネットワーク」も先月設立されている。