「宮古ブランドの推進を」/海外観光客対応セミナー
異文化へ理解呼び掛け/田中社長(KPGホテル&リゾート)が講話
県委託の万国津梁産業人材育成事業と宮古島商工会議所連携による「海外観光客対応セミナー」が29日、同会議所で開催された。「外国人観光客対応に役立つ個の視点」をテーマに県内でリゾートホテルを運営するKPGホテル&リゾートの田中正男社長兼COOが講話し、一気に増加した海外観光客に対して宮古島でしか体験できない、買えないものをアピールするためにブランド化の推進を呼び掛けた。
今回のセミナーは、近年のインバウンド需要の拡大・海外観光客の増加について、その受け入れが万全ではなく、特に離島での受け入れ態勢の構築については官民一体となって進めていくべき課題として、宮古の事業者向けに開催された。
田中氏は講話で、クルーズ船による海外からの観光客が宮古でも近年一気に増加している状況を踏まえて、これをビジネスチャンスと捉えて受け入れ姿勢を見直すことを呼び掛けた。
特に、その大半占める中国からの観光客については、受け入れ側が中国人の考え方を学び、異文化を理解する包容力を求めた。
中国人の性格と特徴について、田中氏は「かつての日本と同様に急激な高度成長で国民のモラル・マナーが国際的な標準に浸透していないのが現状」と指摘した。
「それを踏まえて、私たちが『それはダメ』ではなく、国際標準のモラルやマナーをアドバイスしていくことも必要」と訴えた。
今後の展望として、中国マーケットがさらに拡大し、供用語も英語から中国へと変わる日も近いと指摘。中国語が話せる人材の育成も呼び掛けた。
さらに、中国人観光客について、これまでの「爆買い」から「体験・アクティビティ」へと移り変わっているとし、宮古島でしか体験できないことや買えないものを提供することが大切で、そのためにも宮古ブランドの確立を呼び掛けた。
会場には、地元企業の担当者らが詰め掛け、講話内容に真剣な表情で聞き入っていた。