児童虐待 認知40件/宮古島市16年度
ネグレクトが倍増/背景に経済的困窮か
宮古島市の2016年度の児童虐待相談・対応件数が、前年度より4件多い40件に上ることが市のまとめで分かった。育児放棄を指すネグレクトが最多26件と倍増した。虐待は一人親世帯に多く、経済的な困窮と虐待の因果関係を指摘する声がある。虐待の未然防止が叫ばれる中、未だに多くの児童が虐待に怯える実態が浮き彫りとなった。
児童虐待は、▽身体的▽性的▽ネグレクト▽心理的-に分類される。市の児童虐待は、ネグレクト26件ほか身体的虐待が14件(前年度比3件増)。性的、心理的虐待はなかった。
ネグレクトは子どもを家に閉じ込めたり、食事を与えなかったりすること。不潔状態にすることや病院に連れて行かないなどの対応もネグレクトに当たる。
主な虐待者は実母が最も多く25件で、全体の62・5%を占めた。次いで実父が10件(25%)だった。
虐待を受けている子どもの年齢構成は小学生が最多の22件。3~6歳が8件、中学生9件、0~2歳1件となった。
市児童家庭課は「一人親世帯が多い」とし、金銭面で抱えた精神的なストレスが子への虐待に転化されている可能性を指摘した。
宮古島市における児童虐待は増加傾向にある。市のまとめによると、12年度は14件、13年度21件、14年度38件と増えた。15年度は2件減ったが、16年度は再び増加に転じている。
市では15年、父親が当時3歳の長女を床に突き倒すなどの暴行を加え、頭部損傷の傷害で死亡させる痛ましい事件があった。
これを受けて県は、児童を強制的に保護できる中央児童相談所の分室設置を決定。今年4月1日に宮古分室を開所させている。