自分の方言事典を作ろう/講師に狩俣さん
すまふつ普及人材養成講座
すまふつ(島言葉)普及人材養成講座(主催・県、県文化協会)が10日、県宮古合同庁舎で行われた。講師の狩俣繁久さん(琉球大学国際沖縄研究所教授)が、宮古方言事典の作り方を指導した。参加者たちは、消滅の危機にある宮古方言を記録として残し、普及と継承につなげていこうと意欲的に取り組んだ。
今回の講座は「自分のすまふつ事典を作ろう」と題し、11月までの計6回開かれる。
初回は「導入編」「実践編」が行われ、狩俣さんは「方言の記録が無くなると、両親がどうやって自分たちを育ててきたのかの記録が失われる」と話し、方言事典の意義を訴えた。
方言は文字で記しても正確に伝わらない場合があるとして「まずは聞くこと。文字と一緒に、自分の声や親、祖父母の声で残すことが大切」と話した。
「方言は地域ごとで違ったり、同じ集落でも海側と山側、また年代別でも違ってくる」と指摘。事典作製の大事なこととして▽違いを見つけること▽自分の声や親の声を録音する▽自分の知っていることや経験を書く-を挙げ「表記は人それぞれ。答えは一つではなく、自分の方言を書くこと」と呼び掛けた。
講座には、すまふつボランティアとして認定された人や、宮古方言に関心があり学んでみたいという市民ら約人が参加。狩俣さんの指導を受けながら「頭」「髪の毛」「つむじ」などをそれぞれの地域の方言にした後、「きょうは頭が痛い」などと例文にして記していた。
講座は誰でも受講できる。問い合わせは市文化協会事務局(電話76・6708)まで。