同じような事を処理するのに相反する理屈を使い分けてどちらかが不利になることを二重規範（ダブルスタンダード）というようだ。他人の過ちは許せないが、自分が同じことをして批判された場合に不問にしてくれという都合のいい態度をとる人に対しても使われる

▼政治家やマスコミといった、社会的な大きな影響力をもつものがダブルスタンダードの論理で物事を処理するようだと社会に及ぼす弊害は厄介なことになる。昨今の政治家とマスコミにその厄介な現象を垣間見ることができる

▼「保育園落ちた、日本死ね」で一躍時の人となって民進党での将来を嘱望されていたが、週刊誌に醜聞を暴露されて９月７日に離党した山尾志桜里衆議院議員と彼女を擁護する一部メディアがそうである▼昨年、男性の育児休暇取得問題に一石を投じた自民党の若手議員に不倫疑惑が発覚したことを週刊誌が報じたとき民進党と大手新聞社がひとつになって彼を議員辞職に追い込んだことはまだ記憶に新しい

▼今回、山尾議員の離党記者会見がネットで拡散され一般の人々からも大きな批判を受けている。山尾議員は不倫はしていない、と用意してきた原稿を読み上げて、記者団の質疑に答えることなく退席した。自分に不都合なことは応答しませんという姿勢をあからさまにした記者会見であった

▼大手新聞は自民党議員に対しては「不倫疑惑」として煽り立てたが、山尾議員の不倫問題については「交際問題」として論点をすり換えている。政治家には筋を通してもらいたいしマスコミは公平中立の立場を貫いてほしいものだ。