骨子案概要を取りまとめ/県国土利用計画審
農地の減少も報告
【那覇支社】県は14日、2017年度第1回県国土利用計画審議会(松永力也会長)を県庁で開き、2018年度から10年間の県土利用の基本方針「第5次県国土利用計画」骨子案の概要を取りまとめた。利用区分ごとの現状も公表され、農地が前計画(09年策定)の目標値より早いペースで減少しつつあることが報告された。県は、新しい計画について今年度中に策定する方針。
骨子案では、県土利用の基本的な条件として▽県全体では25年まで人口が増加するものの、既に減少傾向の市町村もあるなど地域的に人口が偏在している▽観光産業が好調で受け入れ体制の早急な整備が必要▽自然環境や美しい景観が悪化している▽台風常襲地域で自然災害を被りやすい島しょ県である▽昨年12月に北部訓練場約4000㌶が返還されたほか、SACO最終合意で普天間飛行場を含む11の米軍施設・区域(約5000㌶)の返還が合意されている-を挙げた。
その上で、基本的な方針として、①都市機能等の集約と優良農地の確保など適切な県土管理②自然環境や美しい景観等の保全・再生と活用③防災・減災対策の推進-を掲げた。また、県独自の取り組みとして、④沖縄21世紀ビジョン基本計画の推進に資する県土利用、⑤駐留軍用地跡地利用の推進-を盛り込んだ。
利用区分ごとの現状では、県全体の農地面積が15年時点で4万4975㌶だったと公表された。農地について前計画では、17年に4万5776㌶(04年実績値は4万6002㌶)を目標としており、計画より早いペースで農地が減少しつつあることが報告された。
一方、宅地は15年時点で1万5820㌶と、前計画が17年の目標とした1万5843㌶(04年実績値は1万4391㌶)をほぼ達成していることが報告された。県は、人口や世帯数の増加が前計画策定時の見込みを超えて推移していることが要因と分析している。