台風時に漂流船を救助/宮古島海保
フェリーたらまゆうの乗組員に感謝状
宮古島海上保安部(久留利彦部長)は22日、平良港湾合同庁舎で、台風18号の影響で漂流した台湾船「徳鴻發」(総トン数55・65㌧)を暴風雨のなか、自らの危険も顧みず救助したとして、フェリー「たらまゆう」(羽地勝也船長)の乗組員一同10人に感謝状を贈呈した。
羽地船長(56)は「視界が悪い中で、流れて来るのが見えた。たらまゆうの台風避難用の係留ロープに引っかかった。このままでは大破し、人命にも影響するのではないかと考え、乗組員全員が一丸となってロープを渡して、何とか救命胴衣を送った。翌朝まで乗組員が見張りもしながら頑張った。このような立派な感謝状をもらい、今後も乗組員一丸となって、安全航海に努めていきたい。より一層心を引き締めている」と感謝状受領の喜びを語った。
久留部長は「あの暴風雨で、視界が10㍍を切るような状態だった。たらまゆうの乗組員に見張りをしてもらい、逐次、台湾船の状態の連絡を受け、助けてもらった。あのまま流されていたら、船体が大破し、乗組員が相当な被害を受けた可能性がある。本当に感謝している」と述べた。
「徳鴻發」は13日午前0時17分ごろ、台風18号避難のため平良港に入港したが、係留ロープが切れ、港内を漂流した。その後、フェリーたらまゆうのロープに引っかかり、同日午後4時24分ごろ、フェリーたらまゆうの乗組員が漂流を防ぎ、救命胴衣を送るなど被害拡大防止に努めた。