「弾薬庫の説明ない」/市議会一般質問
「保良鉱山」報道で市長
下地敏彦市長は22日、宮古島市への陸上自衛隊のミサイル部隊配備計画をめぐり、防衛省がミサイルを保管する弾薬庫の建設予定地を城辺保良の「保良鉱山」とする方向で調整しているとのマスコミ報道に対し、「(防衛省から)説明は受けていない」と述べた。開会中の市議会9月定例会の一般質問で、石嶺香織氏の質問に答えた。
石嶺氏は、同鉱山は集落から約200㍍しか離れていないことを指摘。その上で「保良や七又の住民の人権を考えた時、集落のそばに弾薬庫や射撃訓練場が建設されることについてどう思うか。このような報道について、意見の表明や反対はしないのか」と質問した。
下地市長は「やると決まっていないし、やりたいという説明も市に対してやっているわけでもない。そういうものに対してどうするのかと聞かれても、分からないものには答えられない」と述べた。
「防衛省に問い合わせはしないのか」との質問にも「具体的にどこにやりたいということであれば、防衛省から必要な時期に説明があると思うが、今は新聞報道でどうのこうのということで、やる考えはまったくない」と語った。石嶺氏への答弁。
政府は南西諸島の防衛体制を強化するため、離島侵攻への初動対応に当たる警備部隊や地対空ミサイル部隊などを宮古島に配備する方針で、市内のゴルフ場「千代田カントリークラブ」と、「大福牧場」が予定地となっていた。
防衛省は牧場を弾薬庫とする方向で調整していたが、地下水の水源地であることに地元が反発。下地市長も牧場周辺での施設整備を認めない方針を示し、代替地の選定が続いている。
「保良鉱山」は地下水保全区域から外れており、同省は予定地にふさわしいと判断したもようだ。
弾薬庫建設については、同鉱山を運営する宮古総合開発の砂川武雄社長、保良部落会の砂川辰夫会長とも本紙取材に「何も聞いていない」と話している。