ツツガ虫病で60代男性死亡/宮古保健所管内
県内初、農作業中に感染と推定
県保健医療部地域保健課は27日、宮古保健所管内で昨年12月に亡くなった60代の男性の死亡要因が、ツツガ虫病と診断されたと発表した。感染源については、農作業中の感染と推定される。同課によると、ツツガ虫病で死亡したのは県内初で、疑わしい症状が出た場合は、早期に医療機関を受診するよう注意を呼び掛けている。
亡くなった男性は、昨年12月10日ごろに体調が悪化した。同月27日に医療機関を受診。自力歩行が困難で同日入院したが心肺停止状態となり、同日死亡が確認された。
死因を調べるため12月28日に、病理解剖を外部医療機関に依頼。衛生環境研究所で男性の血液などを検査した結果、ツツガ虫の病原体遺伝子が検出され、今年9月にツツガ虫病による敗血症性ショックでの死亡と確認された。
ツツガ虫病はダニ媒介感染症で、2008年以降、宮古地区ではほぼ毎年患者が発生している。
特に昨年は10例と最多の報告数だった。今年は9月25日時点で2例の患者が報告されているが、いずれも回復している。
ツツガ虫病は、治療が遅れると死亡率が高くなる感染症で、国内では07年~16年に発生した患者のうち、約0・5%が亡くなっている。
同課は、予防策として▽山野に入る際には肌の露出を少なくし、防虫スプレーを適宜使用する▽むやみに地面に腰を下ろしたり寝ころんだりしない(座る時は敷物を使う)▽脱いだ服を草むらに放置しない▽帰ったらすぐに入浴(シャワー)する▽着用した服は使い回さず、その日で洗濯する-ことを呼び掛け。「山林や原野に立ち入ったり、野生動物と接触したりした後、発疹や発熱の症状が現れたら、すぐに医療機関で受診してほしい」と話している。