○○君、高校に入学して半年、親しい友人もできて、授業は新鮮で、部活動に勢を出したり、アルバイトを試みたりと、高校生活を謳歌（おうか）しているとのこと、素敵だ

▼部活動では、自分の得意なことや好きなことを、仲間と切磋琢磨して向上させる喜びと、そこで結ばれる友情は何物にもまして貴いと思う。ただし、部活では、発達段階に応じた科学的練習と、顧問と部員相互のよき人間関係が大切で、命令を受動的に受けて反復練習をするだけでは、競走馬の調教と変わりはない

▼バイトで仕事の一端に触れる経験は大切なことだ。仕事の厳しさと喜びを知り、それに、自分の特性を発見する機会になるとなおいい

▼ところで、毎日疲れて帰宅するので、勉強はできないし、授業で居眠りすることもたびたびあるということだが、気になるところだ。人間の他の動物と違うところは、生きる内容として文化をもっていることで、授業では、その文化に即して人や社会、自然について、その基礎を学習する

▼さらに専門的な知識や技術を身につけ社会における役割を決定する。そのための基礎学力等を身につけ、自己の適性を発見することが高校時代に成すべきことである

▼そうは言っても、高校の学習の習得はそう容易ではなく、かなりの努力を要する。それは人間の文化が高度に発達しているからである。もうひとつ、学習の伸長を阻害する心理的な壁がある。その壁を打破、自己の可能性を限定せず、自己を肯定、使命感を持って、自己実現のためにまい進してほしい。がんばれ○○君。