行雲流水
2017年12月5日(火)8:54
【行雲流水】(絵本)
ノンフィクション作家で絵本の翻訳者でもある柳田邦男は絵本を①子どものとき、②親として子どもに読み聞かせるとき、③子どもが成長して、自分自身のために読むとき、の3回読むよう提案している。3回目の読みについては、「パッと扉が開くように気づき、自らの人生を語っているような深い味わいを発見できる」と述べている
▼絵本は文と絵が響き合って創りだされる芸術的世界である。読み聞かせは、その芸術的豊かさ、思想的な深さに、望ましい形で子どもたちを出合わせる方法だと言われる。そのことで、子どもの興味、情緒的発達、想像力を刺激し、言語能力を高める
▼宮古島市の図書館や学校でも読み聞かせは盛んに行われている。平一小学校では朝の授業前に母親たちによる読み聞かせが行われている
▼宮古島市西原の「ひよどり保育園」の花城千枝子園長は、自作の絵本で読み聞かせをしている。そのひとつ、『ハトぽっぽのヒナちゃん』は、園庭の木の巣に住むハトの巣立ちを追った作品で、保護者たちから、「感激の涙があふれてきた」と評判になった
▼宮古島出身で精神科医の安井玲子の文と、イラストレーター左藤玲奈の絵による絵本『きらきら』が出版された。主人公の少女はきらきら光る景色が好きで、「きらきらの世界」を見つけるが、大人になって、それを見失う。それでも、埋もれたきらきら光る景色を追い求め、「人生とはきらきらを探す旅である」と気づく
▼絵本の描く「真実」は「きらきら」の世界。みんなで絵本を楽しもう。