射撃訓練場は屋内で整備/海上保安庁
「周辺の安全確保」/予定地の保良で資料配付
海上保安庁は海上保安官の射撃などを訓練する施設を、城辺保良の旧ロラン局に整備する計画について10日、保良地区の住民に概要資料を配布した。資料には「外部から遮断された訓練施設であり、周辺の安全が十分に確保された設計とする」などと屋内での訓練を示し、外観と内部のイメージ写真が付けられている。
資料は、同日に同公民館で行われた同部落会(砂川春美会長)の臨時総会の中で配布された。
臨時総会は、「陸自の保良鉱山への弾薬庫配備に反対する決議案」を議題に開かれたが、同庁は「出席者から、海保の射撃場についての質問があった場合に配布してほしい」などと砂川会長に依頼していたという。
海保の射撃場については出席者の一人から「きれいな島にふさわしくない射撃場を建設するのは、地域のイメージダウンになる」との声が上がったが、そのほかに関連した意見は特に出なかった。
第11管区海上保安本部によると、宮古島に常駐する海上保安官の射撃訓練は、沖縄本島の関係機関の施設で定期的に行われている。
整備に必要な予算は2018年度の概算要求で約1億9000万円が計上されている。具体的な設備内容については「概算要求の段階」として明らかにしなかった。
また、陸自が保良地区に弾薬庫とともに射撃訓練場も配備する方向で調整しているとした一部報道については「陸自のことについては分からない」と話した。
説明会開催については「予算成立のめどが立てば、地元住民に詳細な説明会を開催していく」と述べたものの、時期などについては明らかにしなかった。
海保の射撃訓練場に関しては9月県議会代表質問で亀濱玲子氏が「予定地(保良地区)は美しい岬へ向かう観光地で、周辺は海岸リゾートエリアになっている。住民の声を聞かず進められることがあってはならない」と県の見解を求めた。
これに対して、謝花喜一郎知事公室長は「国は丁寧な説明を行うとともに、住民生活の安全安心に配慮してほしい」と答弁した。
整備予定地の旧ロラン局は、東平安名崎に向かう途中にあり、海上保安庁が所有している。現在はディファレンシャルGPS(中波帯の電波を使って、米国が運用するGPSの精度が1㍍以下となるような補正情報などを提供する無人局)として、宮古島海上保安部が運用している。