博愛パレス館 売却視野/うえのドイツ村
14年間閉鎖状態に/市、鑑定評価基に検討へ
長濱政治副市長は13日、14年間にわたり閉鎖されている博愛パレス館(うえのドイツ文化村内)の売却を視野に入れて検討していることを明らかにした。現在、同館を含むドイツ村全体の不動産鑑定評価を実施しているとし「その結果に基づき、ドイツ村全体の今後の方針を検討する中で、パレス館についても検討していきたい」と述べた。開会中の宮古島市議会(嵩原弘議長)12月定例会の一般質問で、我如古三雄氏の質問に答えた。
パレス館は中世ドイツの宮殿をイメージして、1993年に完成。鉄筋コンクリート3階建てで、150人収容の多目的ホールと会議室、29室62人が宿泊できる施設として約14億8000万円(関連施設含む)を掛け旧上野村が整備した。
しかし、2003年9月の台風14号による風雨と高波などで甚大な被害を受けた。
修繕には多額の費用が掛かることから、当時の上野村は財政状況などを理由に同館を閉鎖。市町村合併後は宮古島市が引き継いだが、現在まで閉鎖されたままとなっている。
質問で我如古氏は「パレス館は、10年余りも放置されている。こういった状況では観光地としてのイメージを損ねるばかりか、当局の管理責任が不十分と言われても仕方ない」と指摘した。
その上で、「南岸リゾート一帯は、一大リゾート地として変貌している。その中にあって、10年余りも放置された施設があるというのは地元や訪れる多くの観光客にとって大変失礼だ」と述べ、市の対応をただした。
答弁に立った長濱副市長は、同館は開館から長い年月を経て老朽化が進んでいることから、現在使用できない状況にあるとした上で「購入を希望する企業もある。このため現在、売却も視野にドイツ村全体の鑑定評価業務を実施している」などと述べ、その結果に基づき市の方針を検討していく考えを示した。
下地敏彦市長は「パレス館については何度か現場を見ている。かなり老朽化しており、(施設としての)機能を果たしていないという認識をしている」と答弁した。