法定外目的税 導入へ/宮古島市
宮古島市が法定外目的税の導入に向けて本格検討に入っていることが14日、分かった。下地敏彦市長が同日の市議会12月定例会一般質問で明かした。水道料金に賦課する方向で検討を進めており、早ければ2019年度にも導入する。法定外目的税の性格上、観光客だけでなく市民も課税対象になる。下地市長は「応分の負担をすべきというのが私たちの考え方で、『未来環境税』という方向で検討している」と述べた。
法定外目的税の導入に関しては、議会でも度々取り上げられてきたが、税の名称や賦課の方法を含めて当局がここまで踏み込んで答弁するのは初めて。粟国恒広氏の質問に答えた。
市によると、県内で法定外目的税を導入しているのは伊是名、伊平屋、渡嘉敷の3村。それぞれ環境協力税という形で船舶の利用者に賦課しているという。
これに対し、宮古島市は水道料金に賦課する方法で導入を目指す。市民には水使用量に応じて賦課。ホテル等に泊まる観光客からは宿泊日数に応じて一律徴収する案が浮上している。
使途は環境関連分野での活用に限定し、税率を含む詳細は次年度に立ち上げる検討委員会で詰める。税の負担感や徴収方法など、市民や観光客に配慮しながら検討を進める方針だ。
法定外目的税の必要性に関して下地市長は「入域観光客数は、今後3年から5年の間に120万人から150万人近くになると想定している」と見通し、「そうなると宮古島全体にかかる環境負荷はさまざまな分野で出てくる」と述べた。
その上で「環境を守るということは観光客だけが考える問題ではない。宮古島に住む人たちも応分の負担をすべきだろうと私たちは考えている」と強調し、水道料金に賦課する方法で応分の負担になるよう検討を進める考えを示した。
この件に関しては友利克企画政策部長も答弁し「法定外目的税は、公平性の観点から特定の者のみから徴収することは認められていない」と説明し、「今後予定されている消費税率の引き上げなどの市民負担を考慮しつつ、慎重な検討が必要になる」と話した。
一方で、観光客の急増に伴い、環境への負荷が増大している点を懸念。環境保全に向けて「新たな財源確保の検討が必要だ。全庁体制で導入の検討を進めていきたい」と述べた。