販売額は43億1500万円/17年肉用牛競り実績
高値安定、市場に活気/課題は上場頭数の減少
JAおきなわ宮古地区畜産振興センターは18日、宮古、多良間の両家畜市場の2017年肉用牛競り販売実績をまとめた。総販売額は43億1570万円。前期より2億3000万円ほどの減額だが、40億円を突破する過去2番目の売り上げは市場を活気付けた。主流の子牛の1頭平均価格は73万1663円。平均キロ単価は2789円だった。高値安定の半面、上場頭数の減少という課題もある。
JA宮古地区畜産振興センターのまとめで、全体の上場頭数は6213頭で前年比228頭減った。このうち子牛は5647頭で同比154頭の減。取引成立頭数は6171頭(子牛5613頭)だった。
全体の市場別上場頭数は宮古が4950頭(前年比191頭減)、多良間1263頭(同比37頭減)。取り引きが成立した頭数は宮古4915頭、多良間1256頭の実績だった。
子牛1頭平均価格は前年比9083円安の73万円台と高値を維持した。性別の平均価格をみると、去勢が77万9715円(前年比9168円安)で、雌が65万7004円(同比1万1431円安)だった。
平均キロ単価は70円安の2789円。性別の単価は去勢が前年比61円安の2890円、雌が同比89円安の2620円の値が付いた。
市場別の子牛1頭平均価格は、宮古が74万4888円、多良間が68万1441円。平均キロ単価も宮古2798円、多良間は2754円と高かった。
成牛を含む市場別の総販売額は、宮古が前年比1億4600万円減の34億9600万円、多良間は同比8400万円減の8億1800万円となった。
前年に続き高い実績を挙げた要因は、今も続く全国的な素牛(子牛)不足。各素牛市場で高値取引が続いており、「価格が下がる要素が見つからない」(JAの担当者)のが現状だ。
JA宮古地区畜産振興センターの荷川取努センター長は「前年に続き40億円を突破することができたのは大きい」と話し、高値取引に沸いた市場を総括した。
一方で「総販売額が減少したのは子牛の上場頭数に関係している。しっかり上場すれば前年並みの実績を残せた」と述べ、頭数の減少を懸念材料に挙げた。
また、「月によっては良い牛と悪い牛の差がはっきり出てしまった。良い牛は高く売れる。そういう意識の浸透を図りながら市場を運営したい」と話した。