城辺地区4中学 統合校用地、西城に決定/与党の賛成多数
教委、21年開校へ作業加速
宮古島市議会(嵩原弘議長)12月定例会は20日、最終本会議を開き、城辺地区4中学校の統合校を現在の西城中学校の位置に設置するための市立学校設置条例の一部改正案を与党の賛成多数で可決した。地域の保護者などから「十分な議論が尽くされていない」などとして、「白紙撤回」や「見直し」などを求める声が上がったが反映されなかった。統合校の用地が西城中に決定したことを受け市教育委員会は、2021年4月開校に向けた作業を加速させる。
同議案は9月定例会で否決されたが、市は「開校へ向けては12月議会での可決がタイムリミット」などとし、議案内容を変えずに再提案した。
反対討論で野党の仲里タカ子氏は「地域から慎重審議を求める要請が相次いで出されている」として再考を求めた。
國仲昌二氏は、「市教委は市民が納得するよう説明し、合意形成を図るべきだ。今の状況で学校統合を進めると、地域間の分断や不信感を増幅させる恐れがある」と指摘した。
賛成の発言を行った与党の下地信広氏は「1年間、話し合いを持ったとして平行線をたどるだけ。新しい文化の構築のためにも進めていくべきだ」と主張した。
採決では、野党と中立の議員7人が反対、与党は15人全員が賛成したため可決された。
本会議終了後、マスコミの取材に応じた下地敏彦市長は「用地選定については特に問題ない」と強調。地域住民が慎重審議を求めていることに対しては「いったん議会に付された案件。新たに選任された議員がもう一度見直すという形だったので、今回の議決は重いものがある」と話した。
宮國博教育長は、保護者などから「説明が不十分」という声が上がっていることに対し「各地区で数度の説明会を行った」と説明。用地選定については「選定項目に沿って数値によって決定した」と話した。
議会の決定を受け、市教委は今後、統合協議会を設置し校名や校歌、制服など開校に向けての具体的な作業を進める方針だ。