伊良部地区 小中一貫校が着工
関係者集い安全祈願祭/下地市長「優れた人材輩出を」
宮古島市(下地敏彦市長)は21日、伊良部地区にある四つの小、中学校を統合した小中一貫校「結の橋学園」の建設工事を着工させた。2019年4月に開校を予定している。建設用地の佐良浜中学校で行われた安全祈願祭には工事や学校関係者ら参加し、これから行われる工事の安全を祈願した。
発注者の下地敏彦市長は「この一貫校は伊良部地域から優れた人材を輩出したいとする地域の皆さんの強い要望を受けて進めてきた。こうして新たなスタートを切ったので、今後一貫校として素晴らしい実績を上げてくれることを期待している」と述べた。
市教育委員会の宮國博教育長も「地元のから強い要請があってこの計画を進めてきた。これまでいろいろあったが、ここまでこぎ着けて感慨深い。開校までやるべきことはたくさんある。それをしっかりこなしていきたい」と話した。
安全祈願祭には、関係者ら約80人が参加し、工事期間中の無事を願ったほか、伊良部地域おける小中一貫校の飛躍と発展を願った。
学校建設用地は現在の佐良浜中学校の運動場で、建設工事期間中は既存の校舎と体育館を使用し、授業への影響を最小限に抑える。
整備する校舎は回廊型で、鉄筋コンクリート造(RC造)2階建て。用地面積は2万8000平方㍍、校舎面積は6000平方㍍で、体育館は2500平方㍍。
校舎は2階建てで片廊下の回廊型にする。野外広場はバスケットコート3面分の広さを確保している。
運動場は200㍍トラックで小中共用、体育館も小中で一つ。中学校用にバスケットコート2面、小学校用にミニバスケットコート1面をつくる。武道場は体育館2階に整備する。
快適な学習環境を提供するため、各教室や特別教室にクーラーを設置する。
工期は2019年2月28日まで。請負額は計25億1364万円。
校舎建築1工区は尚輪興建・南西建設共同企業体(JV)が受注し、請負額(消費税及び地方消費税込み)は7億59万円。同2工区は佐平建設・大政建設JVで7億4941万円。
校舎電気設備は大和電工・下地島空港施設・日建JVで1億6183万円。
屋内運動場および武道場(建築)は先嶋建設・奥浜組JVで9億180万円。
一貫校のメリットとして、市教育委員会では▽組織的・継続的な教育活動の徹底による教育環境の向上▽子供たちの社会性の育成機能の向上▽生徒指導上の諸問題の減少-を挙げ、一貫校により「中1ギャップ」への対応も可能としている。
そのほかにも、「4-3-2」制の区分で教育課程を編成。前期は小学1~4年、中期は小学5~中学1年、後期は中学2~3年に区分け。前期で学びの基礎を作り、中期で学びを広げ、後期で学びを深める教育に専念することを目指している。