行雲流水
2017年12月28日(木)8:54
【行雲流水】(仕事納め)
きょうは、官公庁の仕事納めだ。仕事の仕方の改革に挑戦した部署では、苦労話をも明るく語って1年を締めくくることでしょう
▼一方、民間の事業所は、今がかき入れ時だ。商店街、工事現場などは、それこそ「猫の手も借りたい」忙しさであろう。他方、さとうきび農家は暦とは関係なく、製糖工場の操業や天候に合わせて仕事のリズムを刻んでいる
▼世の中の生業(なりわい)は多様だ。しかも、変動する可能性を常にはらんでいる。根底に「自由」という思想があるからであろう。起業も廃業も職業選択も自由だ。発展も衰退も自由、変化への対応力次第だ。探究心や改善意欲の涵養、知識の修得や新技術の導入を「する」も「しない」も自由だ
▼自由主義社会では、貧しさも自己責任にされがちだ。予測の難しい「不確実性の時代」を生き抜くための政策論争もかまびすしい。そんな中、来年度予算案が閣議決定された。税制・社会保障制度の改革、地域振興策などをめぐる攻防は一応決着した
▼今年の経済は好調だった。にもかかわらず、豊かさを実感できないと答えた人が多かった。豊かさや安心・安全の確保について、米国では個々人にゆだねる伝統があるが、日本では政府に依存する傾向が強いようにみえる。いずれにせよ、向上心を抱いて営む日々の積み重ねが歴史となっていくのであろう
▼悲観も楽観も、度が過ぎると感情的になりがちだ。日馬富士と貴の岩の感情的対立に端を発した角界の混乱は、どんな幕引きを迎えることやら。皆様、よいお年を。