今年は154回寄港へ/宮古へのクルーズ船
過去最多、各国から続々/受け入れ態勢の強化課題
世界的なクルーズ需要の高まりを受けて、宮古島市に寄港する船の回数が右肩上がりだ。市港湾課のまとめで、2018年の寄港回数は過去最多となる154回(5日現在)を予定。17年より24回多い。1月から12月まで毎月入港する予定で、下船する国内外の観光客も過去最高を更新することは確実。18年の観光振興に拍車を掛けそうだ。
港湾課によると、17年のクルーズ船の寄港は3~12月の10カ月間で、1月と2月の入港はなかった。
今年は元日の1月1日から入港。イタリアのコスタフォーチュナが沖泊し、翌2日にはマルタ船籍のオーシャンドリームが入っている。4日、8日にも入港しており、1月の寄港回数は合わせて10回になる。
2月には8回、3月には12回、その後は月平均13~14回のペースで来港する。
最大のクルーズ船はバハマのワールドドリームで15万1300㌧。今年は35回入港する予定だ。
そのほか、10万㌧以上の船は5月に入るイタリアのコスタセレナの11万4500㌧と、同じくイタリアのコスタフォーチュナの10万2000㌧。同船は1月のみの寄港となる。
5万㌧クラスのスーパースターアクエリアスが37回と最も多い接岸を予定。イタリアのコスタアトランチカも29回と多い。
伸びる寄港回数と観光客数だが、受け入れ側の課題は多い。担当する市観光課では、拠点港から観光地までの交通を指す2次交通の弱さや、飲食物を提供する施設の少なさを挙げる。乗客の多言語への対応も十分とは言えないという。
市観光商工局の福里匡次長は「クルーズ船だけでなくエアで訪れる観光客も増えており、現状は対応ができていない」とした上で観光インフラ整備の重要性を指摘。「市役所や観光協会だけではなく、バスやタクシー会社、飲食店などさまざまな業種との協議が必要になる」と話した。
平良港は、国から国際クルーズ船の受け入れ拠点港に指定されている。2020年には14万㌧級のクルーズ船が接岸できる370㍍の専用岸壁と旅客ターミナルも整備される。国内拠点港として、クルーズ需要は高まるばかりだ。