四つの流派が共演へ/市民総合文化祭芸術劇場
20日に「特選宮古の芸能」
「新春を寿ぐ特選宮古の芸能」が20日、マティダ市民劇場で開かれる。第12回市民総合文化祭・一般の部芸術劇場で、出演する四つの流派の家元や師範、教師らが10日、記者会見し舞台に懸ける思いなどを話した。主催する市文化協会の大城裕子会長は「これまで磨き上げてこられた宮古の舞台芸能の世界を堪能してほしい」と来場を呼び掛けた。各流派が一堂に集い共演するのは、市文化協会主催事業としては初めて。
出演するのは久田流二代目家元の久田多嘉子さん、琉球舞踊穂花会家元の亀浜律子さん、島袋本流紫の会師範の神里美代子さん、玉城流敏風会教師の池間美代子さんと、それぞれの教室の教師ら。全員宮古島市在住。
久田流は、宮古独自の流派で道場を開いて70年になる。久田さんは、先代が創作した舞踊を披露することになっており「しばらく見ていない人にも改めて見てもらいたい」と語った。
子供のころに舞踊を志し、宮古の芸能を深く掘り下げているという亀浜さんは、今回の芸術劇場を「宮古の舞台芸能の発表の場と捉えている」と話した。
昨年は2回目となる国立劇場での独演会を開催した神里さんは、首里に奉公しふるさとに錦を飾る「布だきぬ道」を踊る。「踊るたびに、思いがこみ上げてくる」と述べた。
玉城流は県内最大流派。池間さんは「宮古での活動は浅いが、敏風会の持ち味を生かした踊りを披露したい」と語った。
大城会長は「これまでは弟子を舞台に上げるということで裏方に回っていたが、今回は表舞台に出ていただく。互いに切磋琢磨(せっさたくま)しながら宮古芸能を盛り上げてほしい」と開催の意義を強調。市民には「磨き上げてきた技を見る絶好の機会。宮古芸能の粋を集めた舞で、新春にふさわしい華やかな舞台になる」と来場を呼び掛けた。
市文化協会芸能部の粟國和伸会長は「グレードの高い深みのある演目が見られる。全員が実力者なので音響や照明は多用しない。本物の舞をじっくり見てほしい」と話した。
入場料は一般2000円。高校生以下1000円。TSUTAYA沖縄宮古島店、Booksきょうはん宮古南店、市文化協会事務局で販売している。問い合わせは同事務局(電話76・6708)。