多くが「非開示不相当」/市長公務記録・日程
個人情報保護審が市長に答申
宮古島情報公開及び個人情報保護審査会の会長で弁護士の伊東秀胤氏が12日、下地敏彦市長から諮問を受けていた市長の公務記録と公務日程の不開示決定に対する審査結果として、多くを「非開示処分は不相当」とする意見を下地市長に答申した。
今回の審査は、市民団体から市長の公務記録と公務日程についての行政文書開示請求を受けた市が、部分開示として一部を非開示にしたことから、市民団体が改めて市に対し全面開示を求める審査請求を実施。それを受け、下地市長が同審査会に審査請求を諮問していた。
審査の対象となったのは2017年3月1日から5月18日までの市長の公務記録27件と公務日程13件の計40件。審査会ではそのうち、氏名の記載があり「個人に関する情報」に該当するなどの理由から4件と1件の一部は非開示が相当としたが、それ以外は非開示は不相当で開示すべきとの考えを示した。
判断の理由として答申では、①市が法人に関する情報として非開示処分とした部分に関しては、現状資料からは当該法人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害する恐れが客観的に認められるとまでは言い難い②市は「日程調整時に公表不可の申し出があった」旨も主張するが、法人に関する情報について市情報公開条例で定める「法人等または個人における通例として公にしないこととされているものその他の当該条件を付することが当該情報の性質、当時の状況等に照らして合理的であると認められる」ことの具体的な主張、説明がないため、現状資料からはこの要件に該当するかどうかの判断が困難③市は個人に関する情報に関して「公共の安全と秩序に支障を及ぼし、市民間に不当な混乱を生じさせる恐れがある」ことも主張するが、これを裏付ける具体的な事情についての主張、説明がないため、これに該当するとの判断も困難と言わざるを得ない④そうすると、市が法人に関する情報であると主張する部分については、いずれも現状資料からは不開示処分不相当と判断せざるを得ない-と説明している。
答申は市長室で行われ、伊東氏が下地市長に答申書を手渡した。下地市長は答申で公務日程、公務記録のどの部分が非開示が相当、不相当となったのか確認した上で今後の対応を検討する考えを示した。