伸び率で全国トップ/県農業産出額
5年間で28・1%増
【那覇支社】県農林水産部(島尻勝広部長)は16日、2016年の沖縄県の農業産出額が11年比で28・1%増え、5年間の伸び率で全国1位になったと発表した。生産農業所得も21年ぶりに500億円台を突破し、販売農家1戸当たりの生産農業所得は388万円で全国8位だった。
同部は、農林水産省が昨年12月に公表した「16年生産農業所得統計」を基に、全国との比較をまとめた。
品目別の生産数量に販売価格を掛け合わせた農業産出額は、16年は対前年比9・6%増の1025億円で前年と同じ全国33位。直近5年間での伸び率は28・1%(年平均5・1%)と全国最高で、全国平均の11・6%(同2・2%)を大きく上回った。分野別の産出額の増加分は、5年間でサトウキビが99億円(83・9%)、肉用牛が85億円(62・5%)と、それぞれ著しく増加した。
同部では、増産の主な要因として「サトウキビは、生産基盤の整備や安定生産技術の開発・普及・機械化、地力増強などの取り組みが成果を上げた」とし、「肉用牛は、草地造成や畜舎整備で生産基盤が強化され、優良種雄牛の造成などで増体能力や肉質の改善が図られた」と評価した。
経営耕地面積が30㌃以上か農産物販売額が50万円以上の「販売農家」1戸当たりの農業産出額は795万円で、全国平均729万円を約66万円上回り、全国位(前年16位)となった。
農業産出額から減価償却費などの経費を除いた生産農業所得は、前年比43・3%増の500億円で全国27位(前年31位)だった。販売農家1戸当たりの生産農業所得は388万円で、全国平均297万円を万円上回った。前年13位から順位を上げ、全国8位となった。
島尻部長は今後の課題として、「農業産出額で沖縄21世紀ビジョンの目標値1220億円を達成するには、販売農家1戸当たりの産出額で946万円が必要。農業全体の伸び率に達していない園芸品目や肉用牛以外の畜産で生産体制の強化を図り、農業の成長産業化につなげたい」としたほか、「生産農業所得は農業産出額に比べ伸び率が低いので、生産性の向上や経費削減を推進し、さらに農家所得向上に努めたい」と指摘した。