キビ反収2.3㌧減/17-18年産見込み
株出しの減産響く/面積拡大も収量に課題
宮古島市の2017-18年産サトウキビの反収(10㌃当たりの収量)が前期比2・3㌧減の約5・7㌧にとどまる見込みだ。市のまとめで分かった。株出し栽培の反収が4・8㌧と極端に低く、全体の収量に大きく響いた。収穫面積の拡大が収量に反映されていない実態が浮かび上がった。
各製糖工場による生産見込み量調査の結果を市がまとめた。作型別の反収は栽培期間が長い夏植えが最も多く7・3㌧。まずまずの収量だが、春植えは5・4㌧、株出しに至っては4㌧台とそれぞれ低い。
春植え、株出しは栽培期間が1年と短いため、夏植えと比べると反収は低くなる。ただ、6㌧を下回ると厳しい。自然災害の影響もあるが、肥培管理のあり方が問われてくる。
前期と比較するとその差は歴然だ。株出しの反収は前年の6・9㌧から2・1㌧減が見込まれ、全体の数字を押し下げる大きな要因になっている。前年作が大豊作だったこともあって単純比較はできないが、仮に調査結果の通り5㌧を割り込む実績なら収穫面積拡大の恩恵は得られない。
収穫面積は1年1作の株出しの普及によって前期の5113㌶から5634㌶まで広がっている。前期より500㌶以上広い面積で栽培しているにもかかわらず、反収の低さが響いて全体の生産量は32万4600㌧。前期より8万㌧以上も少なくなる見込みだ。減産の幅は小さくない。
今期のサトウキビは生育初期の病害虫被害や夏場の干ばつ、9月の台風接近という自然災害を受けるなど減産要因はある。ただ、収穫面積の広がりを実績に結び付けられない現状は大きな課題だ。干ばつでダメージを受けた株や3年株の更新、除草作業といった肥培管理の徹底に伴う収量の確保が求められている。
市農政課では「株出しの管理が行き届いていない圃場や3年、4年株が見られるのが現状だ」と反収減の要因を指摘。「株の更新及び病害虫対策などの肥培管理が重要だ」としている。