社会環境の醸成訴え/飲酒運転根絶
宮古島署 リーダー養成講座
飲酒運転根絶リーダー養成講座が24日、行政連絡員と宮古島市議会議員合わせて約25人を対象に、宮古島署で行われた。講師に県警本部交通部交通企画課長補佐で飲酒運転根絶対策担当の森門健一警部と、アルコール、ギャンブル依存症問題の予防と支援に取り組む「おきなわASK」の大田房子代表理事を招いて行われた。森門課長補佐は「きょうの講座の内容を地域の人に知らせて、飲酒運転根絶の社会環境醸成に協力してほしい」と呼び掛けた。
森門課長補佐は、県内の飲酒運転の検挙状況や県の人身事故(2016年)に占める飲酒絡みの構成率は27年連続ワースト1で、全国に比べて約2・5倍高いことなどを説明。
飲酒運転は▽酒酔い運転は5年以下の懲役または100万円以下の罰金▽酒気帯び運転、飲酒検知拒否は3年以下の懲役または50万円以下の罰金-の罰則がある。経済面や生活面での代償があると話し、「近いから」「ちょっとしか飲んでないから」との軽い気持ちで飲酒運転すると、大きな代償を払わなければならないと強調した。また、飲酒運転するおそれのある者に車両、酒類を提供した運転者以外にも厳しい罰則があると罰則等の説明した。
大田代表理事は厚生労働省の「健康日本21」で示されている、身体にリスクがない適度な飲酒量は純アルコール20㌘、すなわちアルコール分5%のビールなら中ジョッキ(500㍉)、アルコール度数12%のワインなら、小グラス2杯(200㍉)の分量に当たると「1単位」を説明した。
体質、性別にもよるが1単位のアルコールが肝臓で処理される時間は約4時間かかるため「寝たので酒は抜けていると思った」と思っても、3単位以上のアルコールを摂取した場合は目安として12時間以上かかると述べた。
さらに▽飲み過ぎの習慣を変えない▽ストレス解消にアルコールを利用する▽アルコールに関しての正しい知識がない-などが、アルコール依存症になる原因に挙げられると説明した。
また、アルコール依存症は脳の病気なので、他の病と同様、早期にきちんと治療をすれば治る。周囲に多量飲酒(ほとんど毎日、3単位以上飲む)する人がいたらば、勇気を持って飲み方を変えるように声掛けをしてほしいと呼び掛けた。
ちなみに宮古島署管内の2017年の110番および署通報で、泥酔者の保護、救護関係の通報が1134件で、そのうちの約69・57%に当たる789件が路上寝に関する通報だった。