先輩が人生体験語る
「パイナ算」考案の砂川さん/宮高で講演会
宮古高校の卒業生組織である南秀同窓会による講演会「語り継ぐ南秀魂」が1日、同校体育館で全校生徒を対象に行われた。同校10期卒で現在は千葉県在住で関東南秀同窓会に在籍する、独自の暗算術「砂川式パイナ算」の考案者でもある砂川隆久さんが講師を務め、これまでの人生での体験から学んだことを紹介した。
高校卒業後、北海道大学に進学した砂川さん。寒冷地の北海道では20歳まで生きられないかもとの不安を抱いたという。大学修士時代に指導を受けたノーベル賞受賞者の鈴木章氏について、740ページある有機化学の英語の本を33回も読破したというエピソードを紹介。「核となる専門書の熟読の大切さを学んだ」と語る。
社会人になってからはエンジニアリング会社に入社し、定年退職を迎えるまで世界各国で化学プラントの設計、建設などに従事していたことを説明。当時、一緒に仕事をしたインド人の記憶力が非常に良かったことに驚き、定年退職後、暗算の研究を行い「砂川式パイナ算」を考案したという。
また大学時代に講義の中で東大大学院の入試に、元素を性質が似たものが並ぶように配列した「周期表」が出題されたと聞いたことを思い出し、言葉の語呂合わせやイラストで118の元素が記された「周期表」を覚える方法も考案。いずれも書籍にして発行した砂川さん。現役引退後の心掛けについては「好奇心を持ち、オリジナルな種を見つけ、長期に意志を継続し、個性ある花を咲かせること」と語った。
生徒たちは砂川さんの話を熱心に聞いていた。